『生涯無料』ってあり得ないと思う

全国で21版もあるゼクシィを眺めてみると
その時々で流行があります。

一冊の本(ひとつの商圏)の中での
差別化競争なので、どこかが新しいことを
始めると、数ヶ月後に他店が追随するという
繰り返しではありますが・・・。

さて、最近良く目にするようになった
キーワードに、「生涯保障」「生涯無料」
というのがあります。

その店で購入した消費者は、
結婚指輪や婚約指輪のサイズ直し、
みがき直し等のサービスを生涯無料で
受けることが出来るという素晴らしい特典です。
しかし、このサービスには消費者保護の観点から
かなり問題があるのではないでしょうか。

私、自らの反省を込めお話ししたいと思います。
私が、なぜ反省しているのか?
それは、種を最初にまいたのが自分自身だと
考えるからです。

私が前職のトレセンテ(当時は住友金属鉱山の
子会社、現在はニッセン傘下)で、
ブライダルリングの開発を始めたのは
約20年前ですが、
当時の業界はそれはのんびりしたものでした。

結婚指輪に関しては、セイコー、シチズン、
パイロットの大手3社の寡占状態だったし、
ゼクシィも発行前でほとんど競争が無かった。
バブル期で高額のジュエリーがバンバン
売れていたので婚約指輪や結婚指輪に
興味を示すジュエリーメーカーは
ありませんでした。
消費者にしてみれば、
今からでは信じられないくらい
選択肢が狭かったのです。

その中で、異業種から参入した私は
次々と新機軸を打ち出したわけですが、
結果としてブライダルリング業界に
大きな影響を与えたのが”4つのこだわり”。
差別化のポイントとして、デザイン、つくり、
品質、アフターサービスを明記したわけです。
今だったら、どこでもやっている
当たり前のことですが
当時はこんなことすら画期的でした。

さて、問題なのはその中のアフターサービス。
トレセンテで打ち出した内容は、
ダイヤ落ち等の無償修理と、
10年間で5回の磨き直しと、
生まれたお子様へのベビースプーンプレゼント
を主としたもの。

その時点で可能と思われるサービスを
てんこ盛りにしたのですが、
この10年間を上回るサービスでPRしようと
考えたら、生涯無料になっちゃったんでしょうね。

それを全国チェーンのアイプリモまで
(ゼクシィ4月号では婚約指輪の磨き直しが
生涯無料と記載)まで始めたので、
競合する中小の店舗も対抗しちゃったようです。

でもね、このようなサービスを維持していくのは
本当に大変なんですよ。
それがわかっているのだろうか?

例えば、トレセンテが住友商事に売却される
(2004年)時に、10年間のトータルコストを
頭の中で計算したら(ベビースプーン代込みだけど)
7千万円以上したはず。
住友金属鉱山は住友商事にサービスの継続を条件に
売却したけど、会社の売買が繰り返されるうちに、
これがうやむやになってしまう恐れは
ないのでしょうか。
(トレセンテもアイプリモも過去4年間に
2回売買されている)コスト負担は大きいですよ。

もっと基本的な問題は、結婚指輪、婚約指輪を
購入したのが25歳の女性だとしたら
平均余命は60年以上。
60年後にそれを販売した企業が
存在しているだろうか?
普通に考えればわかることですよね。

また、何らかの事情でその指輪が購入者以外の
所有になった場合はどうなるのだろうか?
“生涯”は引き継がれるのか?
このあたりの細かい取り決めが
購入時に交わされているとも思えない。
(販売側は購入者限定と主張するだろうけど)

つまり、以前書いた赤福、白い恋人、再生紙偽装
あたりと同じで、景品表示法にひっかかる
可能性が高いんじゃないかと思う。

だいたい、最後まできちんと責任を取ろうと考えたら
こんなサービスは怖くて出来るわけがない。
個人的には、このようなあり得ないサービスを
掲載しているゼクシィにも怒りを覚えます。

ゼクシィは、二言目には読者のためを
主張するのだけれど、こんなサービスは
どう考えたって読者のためにならない。

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